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Q.会社所有の不動産を同じ会社の取締役に売却する際、注意することはありますか?
A.利益相反取引に該当しますので、株主総会又は取締役会の承認が必要となります。
利益相反取引とは、取締役が会社の利益を犠牲にして、自己又は第三者の利益を図る
ような取引のことをいいます。
取締役は、次の@・Aに掲げる場合には、取締役会非設置会社では株主総会において、
取締役会設置会社では取締役会において、重要な事実を開示し、その承認を受けなけれ
ばなりません(会社法356T・365T)。
@取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。
A株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において
株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき。
前記承認後、株主総会議事録又は取締役会議事録を作成します。
この議事録は、会社から取締役への所有権移転登記手続の際に必要となります。
また議事録に押印すべき印鑑は決まっていますので、お気軽にご相談ください。
Q.会社と取締役とが取引を行う場合は、常に承認が必要なのでしょうか?
A.株主総会又は取締役会の承認が不要な場合もあります。
会社に不利益を及ぼすおそれのない取引は、前記利益相反取引には該当しないため、承認が不要となります。
例としましては、下記のとおりです。
@取締役から会社への無償贈与
A取締役が会社に無利息・無担保で金銭を貸し付ける行為
B取締役が一顧客として自社で販売している物を購入する行為
※.利益相反取引に該当するかどうかを判断しにくい場合には、承認を得ておくのが妥当かと思われます。
Q.共有持分に根抵当権設定後、根抵当権設定者が残りの持分を取得した場合、
根抵当権の効力はどうなりますか?
A.取得した持分には、根抵当権の効力は当然には及びません。
根抵当権の効力を所有権全部に及ぼすためには、次の手続きが必要となります。
@根抵当権と根抵当権設定者との間で、根抵当権設定者が取得した持分について根抵当権追加設定契約を締結。
A【根抵当権の効力を所有権全部に及ぼす変更】登記を申請。
なお、根抵当権確定後に追加設定契約を締結した場合の共同根抵当権設定登記の申請は
受理されない(H元.9.5第3486号)ので、注意が必要です。
Q.根抵当権の元本確定とはなんですか?
A.根抵当権の被担保債権が具体的に特定され、確定することをいいます。
つまり、元本確定後に根抵当権の債権の範囲に含まれる債権が発生したとしても、
この債権は根抵当権で担保されなくなります。
しかし、確定するのは被担保債権の元本であって、利息及び損害金は、
元本確定後に発生するものであっても、極度額を限度として担保されます。
Q.根抵当権はどのような場合に確定しますか?
A.下表をご参照ください。
Q.根抵当権の元本確定前に【債務者】が会社分割をした場合の手続を教えてください。
A.会社分割には、吸収分割と新設分割があります。
吸収分割:株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を
分割後他の会社に承継させること。
新設分割:一又は二以上の株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の
全部又は一部を分割により設立する会社に承継させること。
元本確定前に【債務者】を分割会社とする会社分割があったときは、当該根抵当権は、
分割の時に存する債務のほか、分割会社及び設立会社又は承継会社が分割後に負担する
債務を担保します。
つまり、分割会社と設立会社又は承継会社を【債務者】とする共用根抵当権になります。
この場合の根抵当権変更登記(債務者の変更)は、根抵当権が登記権利者、
根抵当権設定者が登記義務者となります。
なお、吸収分割の場合、承継会社が分割前から有していた債務は、当該根抵当権で担保されません。
この債務を担保するためには、債権の範囲の変更をする必要があります。
また、当該根抵当権の設定者は、【債務者】を分割会社とする会社分割があり、
その債務者が当該根抵当権の設定者であるときを除き、元本確定請求をすることができます。
この元本確定請求は、当該根抵当権の設定者が会社分割があったことを知った日から2週間又は
会社分割の日から1か月間を経過したときはすることができません。
そして、この元本確定請求があったときは、当該根抵当権が担保すべき元本は、会社分割時に
確定したものとみなされるので、元本確定請求権の行使可能期間中の新規貸付には、注意が必要です。
Q.根抵当権の元本確定前に【根抵当権者】が会社分割をした場合の手続を教えてください。
A.元本確定前に【根抵当権者】を分割会社とする会社分割があったときは、当該根抵当権は、
分割の時に存する債権のほか、分割会社及び設立会社又は承継会社が分割後に取得する債権を担保します。
つまり、当該根抵当権は、分割会社と設立会社又は承継会社の準共有になります。
この場合の根抵当権一部移転登記は、設立会社又は承継会社が登記権利者、分割会社が登記義務者となります。
なお、吸収分割の場合、承継会社が分割前から有していた債権は、当該根抵当権で担保されません。
この債権を担保するためには、債権の範囲の変更をする必要があります。
また、当該根抵当権の設定者は、【根抵当権者】を分割会社とする会社分割があり、
その債務者が当該根抵当権の設定者であるときを除き、元本確定請求をすることができます。
この元本確定請求は、当該根抵当権の設定者が会社分割があったことを知った日から2週間又は
会社分割の日から1か月間を経過したときはすることができません。
分割契約又は分割計画で会社分割後の根抵当権者を定めていた場合は、当該根抵当権の共有持分の
放棄又は譲渡する手続きをすることになります。
また、分割契約又は分割計画で会社分割後の根抵当権者を定めるのではなく、準共有を保ちながら、
優先弁済の定めをすることもできます。
Q.取扱店を登記するメリットはなんですか?
A.(根)抵当権者の取扱店を登記することは認められています(昭和36年5月17日民甲第1134号)。
登記記録に(根)抵当権者の本店のみ記録されている場合、競売などの際には、
(根)抵当権者への法定通知は、その本店に送付されます。
そして、(根)抵当権者が金融機関の場合、支店に貸付業務・登記手続きなどを委任していることが多く、
本店において法定通知などを受領しても、取扱店がすぐに判明せず、債権などの申出期間に遅れること
があり得ます。
そこで、(根)抵当権者の取扱店を登記することによって、法定通知などにその取扱店を記載してもうらう
ことによって、債権などの申出期間に遅れることがないようにすることができることがメリットであります。
Q.住宅ローン返済後、金融機関から書類が返却されましたが、どうすればよいのでしょうか?
A.住宅ローンを組んで取得した土地建物には、通常、抵当権が設定されています。
住宅ローンを完済すると抵当権は当然に消滅しますので、金融機関から抵当権の登記を抹消するための書類が
送られてくることがあります。
すぐに抵当権抹消登記の申請をすれば問題ないのですが…
そのままにしておくと、不都合が生じる場合があります。
例えば、金融機関の合併です。場合によっては書類の再請求をする必要もあります。
金融機関から書類が送られてきましたら、すぐに抵当権抹消登記の申請を行うことをお勧め致します。
Q.仮登記とはなんですか?
A.本登記をなすべき実体的又は手続的要件が完備しない場合に
将来必要な要件が備わったときにする本登記のために、あらかじめ
順位を確保しておく登記のことをいいます。
≪1号仮登記≫
物権変動が生じているものの、@登記識別情報を提供できない場合、A第三者の許可書などが添付
できない場合に、この1号仮登記をすることできます。
よって、印鑑証明書や委任状が添付できない場合は、この1号仮登記をすることはできません。
≪2号仮登記≫
物権変動はまだ生じていないが、@将来において権利変動を生じさせる請求権が発生している場合、
A請求権が始期付又は停止条件付、その他将来確定することが見込まれる場合、B物権変動が始期付
又は停止条件付の場合に、この2号仮登記をすることできます。
仮登記は、本登記より登録免許税が安くなるので、費用節約のために用いられることがあります。
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